領域代表者
合原 一幸 先生

東京大学 特別教授・名誉教授
東京大学国際高等研究所IRCN 副機構長

研究構想

昨今のコロナ禍によって、社会の持続的発展のための基盤が意外にも脆弱であることが露わとなりました。人々が安全・安心に暮らすことが出来る社会を実現するためには、社会課題に対してその時々に緊急に対処するのではなく、社会の様々な変動を時系列としてとらえて、将来予測技術や因果解析技術に基づいて統合的・予見的に対処するシステムの構築が求められています。  

本特定領域研究は、デジタル変革における共通基盤としての「数理」の分野横断性に基づいて、健康、感染症、社会インフラ、経済、環境、エネルギーなどの多様な複雑社会現象を解明し、関連する諸問題を総合的に解決する数理基盤を構築するために、安全・安心社会の実現に資する基礎となる数理的研究開発を目指すものです。

「数理」が貢献できる研究テーマは広い分野をカバーしますが、本特定領域研究では特に、安全・安心な社会実現のためのICT・ビッグデータと将来予測・因果解析技術との融合にフォーカスして、最終的に社会実装に結び付くような数理的研究テーマを募集します。また、研究参加者が各々個別に研究するのではなく、相互に交流することによって数理的シナジー効果が生み出されることも期待しています。