設立の趣意: 安全安心な科学技術の振興を目指して

国の将来の方向を定める“科学技術”

一国の繁栄は、平和を前提とし、国民生活の安定とともに、産業経済の発展が不可欠なものであります。近時科学技術の発達は、国民生活の安定向上と産業経済の発展に大きく寄与しており、今後の科学技術の進歩の状況が、国の将来の方向を定めるものの一つと信じます。第二次世界大戦後、わが国は、官民あげての努力の結果、先進国の一つになりましたが、これも、わが国の科学技術の振興に負うところ大なるものがあります。しかし、きたるべき高齢化社会の中で、資金不足、エネルギー不安、環境問題を解決しつつ、国際競争に優位な立場を確保する上においても、国民生活の安全安心を向上させるための科学技術を含めて、種々の科学技術の研究開発を推進することは焦眉の急と考えられます。

安全安心な科学技術の奨励・振興・情報交流

かような現状において、当財団法人設立の趣旨とするところは、わが国における国民生活の安全安心の確保、災害防止等国民生活に密着した科学技術をはじめとして、広く科学技術一般について、その奨励、研究開発の振興、情報交流、国際交流等を行い、もってわが国の該科学技術の振興をはかろうとするものであります。 ここに飯田亮の醵出資金により、当財団法人を設立し、その目的とするところを遂行しようとするものであります。

設立の経緯と事業の運営:安全安心社会の実現のために

社会に提供する安全安心とはどうあるべきか

財団法人セコム科学技術振興財団は、日本警備保障株式会社(当時、現在のセコム株式会社)代表取締役会長 飯田亮氏の醵出資金〔現金50,000,000円、有価証券(日本警備保障株式会社 普通株式)887,654株、有価証券の設立時時価は約18億円〕を基本財産として、昭和54年3月20日付けで、民法第34条の規定に基づく公益法人として内閣総理大臣から設立の許可を受けたものであります。(主務官庁は、科学技術庁(現文部科学省))
飯田亮氏は、昭和37年日本警備保障株式会社を創業して以来「社会に提供する安全安心とはどうあるべきか」というテーマを追求して、安全安心システムの開発普及に努めてきた過程から、社会に本当に安全安心をもたらすためには科学技術の振興が不可欠であると断じ、安全安心問題を中心とする科学技術の研究開発の助成、普及啓発、情報交流、国際交流等を通じて、科学技術の振興をはかり、よって社会の真の安全安心を実現するという趣旨に基づき設立を行ったものであります。

科学技術の研究開発に助成金を交付

当財団は、基本財産から生じる収入等をもって事業を行うこととしております。
また、昭和54年内閣総理大臣から「所得税法施行令第215条第2号及び法人税法施行令第77条第2号に掲げる試験研究法人等であることの証明」の交付を受けております(以後2年ごと更新して現在に至っております)。〔現在「所得税法施行令第217条第1項第3号及び法人税法施行令第77条第1項第3号に掲げる特定公益増進法人であることの証明書」〕
当財団は、科学技術に関する研究開発の助成、研究開発に貢献した者の表彰、普及啓発、情報交流及び国際交流を行い、もって国民福祉の向上及び経済・社会の発展に寄与することを目的とし、その目的を達成するために次の事業を行うこととしております。
(1) 科学技術(主に安全安心をテーマとする)に関する研究開発の助成
(2) 科学技術(主に安全安心をテーマとする)に関する注目すべき研究開発業績を挙げた者の表彰
(3) 科学技術(主に安全安心をテーマとする)に関する普及啓発
(4) 科学技術(主に安全安心をテーマとする)に関する情報交流
(5) 科学技術(主に安全安心をテーマとする)に関する国際交流
(6) その他この法人の目的を達成するために必要な事業