Zip13の機能のうち、前駆脂肪細胞のベージュ化に対する作用と、骨格筋に対する作用は、別のものと考えられます。そのため、Zip13の脂肪細胞への働きを抑えつつ、骨格筋に対する機能は邪魔しない、という手法を見つけることが本研究の目的です。
まずはZip13に特徴的な細胞質内の領域(Int-L2)に、Zip13の脂肪細胞ベージュ化抑制機能に関わる物質があると仮定して、この領域でZip13と結合するタンパク質の同定を試みました。杏林大学の木村徹准教授らとの共同研究の結果、3つのタンパク質を発見しました。
そのうちの一つは、Zip13に結合すると分解されますが、Zip13欠損状態では細胞質に溜まっていきます。この「蛋白質X」が蓄積することが脂肪細胞の褐色化に関わっている可能性が高くなってきました。
