リアルタイムでの運用を可能にするために、本研究ではマルチGPU(Graphics Processing Unit)を用いることによって画像処理を高速化しています。
皆さんがよく耳にするCPU(Central Processing Unit)は、コンピューター全体を制御するためにありますが、GPUはリアルタイム画像処理に特化した演算装置です。CPUは万能選手ですが同時にひとつの仕事しかできないのに対して、GPUは単純な作業しかできませんが同時に大量の仕事をこなせます。
まず1フレーム時間(16.7ms)の高速リフォーカス処理の実現を目標として、実験しました。最新機種のGPUであるRTX2080を用いて、1台のPCに2台までGPUを搭載したマルチGPUでの処理時間を計測したところ、目標のフレーム時間を達成することができました。しかし、このマルチGPUを搭載したPCを、さらに複数台用いた分散マルチGPUシステムでは、ホストPCからの視差画像群を分配するために時間がかかってしまっています。現在、このデータ分配時間を減少させることが、大きな課題となっています。

ひとりで行う仕事を、できるだけ多人数で処理することで効率化を図る。これが分散マルチGPUシステムの発想