本研究は、LSI(大規模集積回路)にハードウェアトロイ(HT)が挿入される脅威に対し、①設計仕様から回路機能を設計するフロントエンド設計時、②回路記述(HDLコード)から回路レイアウトを設計するバックエンド設計時、③LSI製造後のパッケージおよびシステム実装時・実装後の3段階に焦点をあてて、各段階におけるHT検出、HT挿入困難化技術の開発に取り組んでいます。
フロントエンド設計時は、設計仕様とHDLコードをZDDという特殊な形式記述で表現し、双方の等価性を証明することで、従来方法では不可能だった「全入力パターンを検証する」と同等の保証が得られるようになりました。さらに検証時間も大幅に短縮されたため、これまで難しいとされていた暗号回路の検証も可能です。