HOME > 研究者 > 関谷毅先生 >「お母さんと胎児の常時見守りセンサーシートの開発 〜出産前から母子の安全安心に貢献する〜」(第2回)

それでは最後に、これから助成申請をされる研究者へのメッセージをお願いします。

社会ニーズに対して、現存するテクノロジーが役に立てるにも関わらず、行き届いていない分野は多く存在します。しかし、だれも到達していない革新的な発想をすることは容易ではありません。常識的な発想から出てくることは、誰でも思いつくことができるからです。研究者には、常識にとらわれない柔軟な発想が求められます。そこで私がお勧めしたいのが、自分の専門分野と、自分の全く知らない他分野との研究を連携させることです。

研究者の間では「研究室が変われば異国のようだ」と言われるほど、分野ごとに専門用語が存在し、価値観も異なります。他分野と連携して研究することが難しいと言われる所以です。しかし、難しい道であるからこそ、開拓の余地や、やりがいがあるのではないでしょうか。いちから他分野を自分が研究するのもひとつの手ではありますが、優れた既存の研究を取り入れるほうが、より効率的です。

私は幼少期をブラジルで過ごし、7回も転校を繰り返し、日本に帰国したときには文化の違いに戸惑いました。ですが、おかげで文化的背景の異なる人と話し合い、違う価値観を受け入れることが苦ではなくなりました。これから申請される研究者の皆様には、異なる価値観を受け入れることを恐れない、積極的な姿勢を忘れなければ素敵な研究開発に結び付くと確信しています。

ラテン系のポジティブ気質が、何があっても諦めない研究者マインドの原点になった

「画期的な発明は、必ずしも現存しない技術を一から開発する必要があるわけではなく、発想の改革からも生み出すことができる」
今回、そのことを先生の研究を通してお教えいただき、目から鱗でした。長時間のインタビューにお付き合いいただき、ありがとうございました。

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