HOME > 研究者 > 岩見真吾先生 > 血中骨代謝マーカー変動予測に基づく骨量減少予防の個別化予測医療の実現(第2回)
血中骨代謝マーカー変動予測に基づく骨量減少予防の個別化予測医療の実現(第2回)

名古屋大学

Shingo Iwami

先生は以前から異分野の先生とチームを組んでご研究をされており、名古屋大学では異分野融合生物学研究室(iBLab)を立ち上げられましたね。

私のバックグラウンドは数理科学ですが、数学科に所属したことはありません。最近は精神科や内科、外科の先生とも一緒に研究をしました。データを通して全体を理解したいという欲求があるため、特定の分野にこだわることはありません。その点では、他の数理科学の研究者とは、少し異なるモチベーションを持っているのかもしれません。

iBLabでは異なる分野と階層の生命科学研究を、数理モデルとコンピュータシミュレーションを駆使して進めています。生命の発生から死に至るまでの現象にさまざまな角度からアプローチし、定量的に理解する。そのために異分野の知識や技術などを学ぶ必要はありますが、どの研究でもやるべきことは、あまり変わりません。分野の枠にとらわれていないぶん、一度構築したアプローチは別の研究でも活かしやすいため、学生たちも自由なスタイルで研究をしています。

iBLabは国内で初めての異分野融合研究の拠点。本研究から派生した研究テーマに取り組んでいる学生や講師もいる

挑戦的研究助成に採択されたご経験があるとはいえ、研究助成制度は他にもたくさんあります。最後に、一般研究助成に申請された理由について教えていただけますか。

理由は二つあります。一つは、本研究が特定の学問分野に当てはまらない、複数の分野を含んでいること。このようなテーマでは通常、申請先の分野の枠に合わせて研究計画を作らなければいけません。しかしセコム科学技術振興財団であればそうした枠を気にせず、自分が思い描いたままのテーマで申請できます。

もう一つは、やはり自由度の高さと、助成金以外にも多くのメリットがあることです。挑戦的研究助成では、選考委員の谷口克先生や桜田一洋先生から非常に的確なアドバイスをいただき、自分の研究を発展させてくれるという大きな期待と信頼がありました。

セコムという名称から「防犯分野の研究」と誤解されやすいかもしれませんが、実際は広範な研究が対象となるため、多くの研究者に知っていただきたいと思っています。

金額が大きな研究助成を受けていることは、大学が研究者を評価する一つの材料になる。良いタイミングで採択してもらえてありがたかった

骨折で寝たきりになる人が少しでも減少するよう、社会実装を意識して、これまでになかった観点から骨粗鬆症のご研究を進めていらっしゃることがよくわかりました。発症予防に「適度な運動」が効果的に活用される日を心待ちにしています。お忙しいなか長時間のインタビューにご協力いただき、ありがとうございました。

Copyright(C) SECOM Science and Technology Foundation