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健康・安全モニタリングシステム実現のための小型呼気センシング用光集積デバイスの研究開発(第2回)

九州大学

Kiichi Hamamoto

一般研究助成に応募されたのは、どのような経緯だったのでしょうか。

九州大学の所属となり、学生が研究室に入ってくるようになってしばらくの間は、研究がなかなか進まない時期がありましたが、何とか光導波路でガス計測はできそうだ、というところまでは進展できました。そのとき、この研究を発展させ「セコムのようなホームセキュリティに、この呼気計測システムを導入すればいいのでは」という考えが浮かんだのです。

そして、研究の構想が浮かんだ直後に、学内の告知でこの一般研究助成の存在を知りました。大げさかもしれませんが、なんらかの“導き”があったのかもしれません。

浜本先生と研究室の皆さん

この助成制度への感想や、助成金の使い道などについて教えて下さい。

採択していただいた後で知ったのですが、一般研究助成は倍率がかなり高く、自分がそこを通過できていたことに驚きました。

また、本格研究に移行するための審査では、小型呼気センシングデバイスには半導体式などの類似技術が提示されているため、優位性を提示してくださいとのご指摘を受けました。光を用いた直接センシングであれば、間接センシングの課題であった「複数のガス検知ができない」、「性質の近いガスを識別できない」、「物質へのガス蓄積問題」などが解消されることをレポートにまとめて提出したところ、採用していただきました。結果的に研究の整理に繋がったため、研究に対する客観的なご指摘を受けられることは、それだけで価値があると思います。

助成金の使い道としては、人件費として研究員やテクニカルスタッフを雇うことができたり、数百万円する装置を購入することができたりと自由度が高く、非常にありがたかったです。

本システムが一般家庭のセキュリティシステムに導入され、一般市民が気軽に健康状態を測定し、QOL向上へと寄与することを祈っております。長時間の取材にお付き合いいただき、ありがとうございました。

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