緊急地震速報の受信をトリガーに、インフラサウンドセンサーは非常時モードに移行するよう設定されています。
非常時モードでは、センサーは「設置地域に津波被害をもたらすと想定されている地震の震源地」から発生するインフラサウンドにのみフォーカスします。高知県の場合は、南海トラフ地震の震源地から発生する津波のインフラサウンドのみを検出するよう制御され、その波形の周期と振幅の大きさから津波の規模を算出し、その数値を自治体の防災担当部署に送信します。
津波は海底が浅くなるにつれて速度が遅くなる性質があります。単純な試算ですが、室戸岬のセンサーが津波のインフラサウンドを検知した後、湾奥に位置する高知市に津波が到達するまで、30分から1時間程度の避難時間を稼げることがわかりました。
ここで重要となるのが「実際の津波の規模と、政府が想定した津波の規模との差異」です。実際の津波の規模が政府の想定よりも大きかった場合、防災担当者は警戒レベルを上げる、避難場所を変更するなど、より確かな情報発信や避難誘導を行うことができます。