そうですね。ただ、将来的にすべての観測をUAVで賄うつもりはありません。
最近、もう一つの新しいプラットフォームとして、無人ボートの開発を進めています。どんな観測手段にも長所と短所がありますから、1つに絞るのではなく複数のプラットフォームで観測を担うのが理想と考えています。
UAVの最大の強みは速度です。80km/hで飛べるので、他の手段に比べて圧倒的に速く、短時間で目的地に到達できます。ただ、飛行中や離着水の際の故障リスクは避けられません。一方で、無人ボートは現状10km/h出るか出ないかですが、軽量化の必要がないので強度を高めることができます。
本研究で開発したUAV内部の技術はそのままボートにも転用できるため、これまでの成果が大いに役立つと期待しています。
地殻変動をしっかり把握するためには、観測基準点は現状の倍は欲しいところ。無人機を利用して観測をコストダウンできれば、基準点の増加につながると期待している



海上保安庁が管理している観測基準点の位置を示す図。地震の発生源となりうるプレート境界付近に集中して設置されている。