所属
横浜国立大学大学院環境情報研究院

職名
講師

キーワード
知覚情報処理 知能情報学 ソフトコンピューティング

助成期間
平成29年─平成31年

研究室ホームページ
2009年

横浜国立大学大学院環境情報学府情報メディア環境学専攻博士課程後期修了


2009年

日本学術振興会 特別研究員(PD)


2010年
株式会社富士通研究所研究員

2012年
青山学院大学理工学部情報テクノロジー学科助手

2013年
青山学院大学理工学部情報テクノロジー学科助教

2015年
筑波大学システム情報系助教

2016年
横浜国立大学大学院環境情報研究院講師


幼少期から機械が好きだった

私は、今でこそ大学で講師として教鞭をとり、研究活動をしていますが、大学に進学するまでは、大学が研究機関であるということをよく分かっていませんでした。それ以前は、大学を「高校の延長線上」程度にしか考えず、進学した理由も偏差値が自分と釣り合っていたこと、都会の大学に進学したかったという程度のぼんやりとしたものでした。

電子情報系の学科を選んだのは、親が機械を修理する仕事をしていたため幼少期から機械が身近な存在だったこと、高校生の頃に一般家庭にもインターネットが普及し始め、IT分野に興味があったことが理由です。卒業研究で、計算機の中の仮想空間を自動探索するロボットの行動規則を機械学習で作るという研究を行い、人工知能分野に興味をもちました。

人工知能は私達の生活水準を飛躍的に上昇させる

人工知能飛躍の鍵を握るディープラーニング

機械学習は、人工知能のなかでも近年飛躍的に発展している分野です。機械学習について、猫の写真を例に説明しましょう。人間であれば、猫を認識するのは簡単ですが、計算機の中では写真は単なる数値列に過ぎないので、猫を正しく認識するプログラムを人が書くのは実は難しいのです。機械学習はデータから機械自身が規則や知識を見つけ出すアプローチです。猫の例で言えば、猫の写真をたくさん機械に与えることで、「これは猫か否か」を判断するルールを自動的に見つけ出すことができます。一般的な機械学習では、この判断のために写真から取り出した特徴量と呼ばれる値を人が与える必要がありました。これに対して、「深層学習(ディープラーニング)」では、写真からダイレクトに判断を行うことができるため、特徴量の設計が不要になるというメリットがあり、画像認識の分野で大きな成果を収めています。

ディープラーニングの汎用性には目を見張るものがあります。カメラに搭載することで、一時停止標識や信号機を自動的に認識し運転する「自動運転技術」や、人や物が危険区域に侵入した際に自動検出する「産業・防犯オートメーション」など、応用先は枚挙にいとまがなく、これらは私達の生活水準を飛躍的に上昇させる可能性を秘めています。